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【脚本の書き方】シド・フィールドの脚本術をまとめてみた

こんにちは。映画大好きhal(@hal_blog_

 

突然ですが、映画の脚本について勉強する時に何か本を読んだことはありますか?

恥ずかしながら、僕は大学で映画を学んでいたにもかかわらず、脚本に関しての本は読んだことがありませんでした。

 

そこで、最近「シド・フィールドの脚本術」という本を読んたんですが、

 

  • 映画を見る際の新しい視点が得られる
  • 脚本の考え方が学べる

 

という点で、素晴らしい内容でした。

 

 

この記事では、シド・フィールドの脚本術に書いてある内容を、簡単にまとめてみました。

脚本を書く際の参考にしつつ、気に入ったならぜひ本を手にとってみてください。

 

もくじ

シド・フィールドとは?

まずは、この本の著者であるシド・フィールドに関して簡単にご紹介します。

 

シド・フィールドはアメリカの脚本家で、映画学校の名門・南カリフォルニア大学でシナリオを教えていました。

 

この記事で紹介する「シド・フィールドの脚本術」の原本である「SCREEN PLAY」。

この本は、22カ国で翻訳されており、全米400以上の学校で教科書として採用されているそうです。

 

また、シド・フィールドは数多くの映画会社で脚本に関してのコンサルタントを歴任しており、全米脚本家協会へ殿堂入りしています。

 

この本にも登場する、映画監督サム・ペキンパーやジャン・ルノワールらに師事していました。

 

以上、簡単にご紹介しました。間違いなく世界の脚本家のトップオブトップですね!

 

それでは、「シド・フィールドの脚本術」の内容に入っていきます。

 

脚本のパラダイム

パラダイム(paradigm)とは、「模範」などという意味があるそうです。

脚本のパラダイムということは、脚本の模範

この本では、その模範を軸として、脚本について解説されています。

 

映画の脚本は、発端・中盤・結末という3要素に分解できる。

そう解説されています。

 

では、それぞれについてまとめていきます。

 

発端

 

脚本の1ページ目から、だいたい30ページ目(以下、P1~30)が、発端になります。

脚本の始まりである発端では、脚本を通して変わらない枠組みの設定が行われます。

 

具体的に言うと、

 

  • 登場人物
  • ドラマ上の前提(誰に関しての?何についての?映画)
  • 状況の説明
  • キャラクター同士の関係性

 

などなど。

 

ストーリーを進めていく上で必要な前提がここで設定されるんですね。

 

中盤

 

P30~90は、中盤です。

ここでは、主人公の葛藤が描かれます。

 

ストーリーには結末(ゴールがあり)、主人公はそこを目指します。

例えば、恋愛映画のゴールは結婚や恋人になること。サスペンスなら、事件の解決がゴール。

 

しかし、そこには壁が立ちはだかります。

恋愛映画なら、ライバルや結婚を許してくれない親の存在。

サスペンスなら、次々と起こる事件や犯人でしょうか。

 

その壁との対決が、葛藤です。

 

結末

 

P90~120は、結末です。

ここで、ストーリーは解決に向かいます。

葛藤を終えた主人公の姿が描かれます。

 

プロットポイント

 

この脚本のパラダイムで重要なのが、プロットポイントです。

プロットポイントとは、物語の転換点。

ストーリーが向かう方向をガラッと変えるポイントです。

 

プロットポイントは脚本上で、2点に置かれます。

それは、発端の最後と中盤の最後。

ページで言うと、P25~30とP85~90くらい。

 

必ずしもそれは大きな事件ではなく、登場人物のセリフ上の一言ということもありえます。

 

主題の見つけ方

 

テーマとも言います。

 

主題とは、

 

  。

その映画は何(アクション)を描く映画か?

誰(キャラクター)についての映画か?

 

ということ。

 

 

(例)ルフィが、大海賊時代に仲間を集め、海賊王を目指す話。

 

→この一文で、誰もがタイトルを浮かべることが出来ます。

このように主題は、その映画だけが持つ特異なものです。

 

では、どのように主題を見つけるのか?

その方法に関しては、以下のように書かれています。

 

  アクションに関するアイディアやキャラクターに関して、ノートに数ページ分どんどん書き込んでいく。

 

主題をまずは、アクションとキャラクターに分けます。

アクションは、なにが起こるのか?

キャラクターは、登場人物は誰か?ということ。

 

アクションも、身体と感情に分けて考える。

身体は、銃撃アクション・カーアクション・銀行強盗など目に見える動き。

感情は、心の動き。怒りや喜び、好き嫌いなど。

 

キャラクターも同様です。

必要性の決定とは、なぜそのキャラクターなのか?ということ。

そのキャラクターである必要性です。

 

アクションこそキャラクターというのは、キャラクターはどう動くのか?ということ。

 

それぞれに関して、アイディアを思いつくだけノートに書き留め、探していきます。

 

登場人物(キャラクター)を作る

 

キャラクターを考える時、内面と外面に分けて考えます。

 

内面は、感情の人生。

 

  映画が始まるまで、どういう人生をたどってきたのか?

どういう行動をして、何を考えてきたのか?

 

感情の人生を考えるために、人生年表人物相関図を作っておくことで考えやすくなります。

人生年表とは、生まれてから現在までに起こった出来事を、年表にすること。

 

人物相関図は、主人公の周りの登場人物の相関図です。

 

外面は、身体の人生。

 

  映画の始まりから終わりまで。内面のキャラクターを身体で表現していく。

 

キャラクターの実状

 

図のように、キャラクターの現状を3要素で深く考えておくことも重要と言います。

 

人間は変化を求めるので、現状を設定しておくことで、ストーリーが止まりそうになったときのヒントになります。

 

3要素は以下の通り。

 

  • 社会生活
  • 個人の人間関係
  • プライベート

 

社会生活は、仕事に関することです。

 

登場人物は今の仕事に満足しているのか?それとも不満なのか?

不満なら、本当にしたいことは何なのか?

 

個人の人間関係というのは、恋愛です。

 

結婚はしているのか?したいと思っているのか?

恋人はいるのか?いるなら、どこで出会ったのか?

 

プライベートは、普段の生活の全て。

 

趣味はあるのか?

朝型の生活?それとも夜型?

 

などなど。

 

4つの要素でキャラクターは魅力的か確認してみる

 

魅力的なキャラクターには、共通して4つの要素を持ち合わせています。

 

1.協力ではっきりとした、ドラマ上の欲求を持っている

 

ドラマ上の欲求とは、ストーリー上で登場人物が成し遂げたいことや手に入れたいもの。

その欲求が、登場人物を突き動かします。

また、ドラマ上の欲求はストーリーの中で変わることもあり、それがプロットポイントになることがあります。

 

 

2.その人独自の考え方・ものの見方を持っている

 

例えば、宗教。神を信じているのか?

何を信じて、何を信じないのか?

正解・不正解はないが、登場人物の行動の指針になる考え方・ものの見方。

 

3.ある事柄に対して、態度を示している

 

例えば、政治。

今の政治に反対?賛成?

反対なら、デモに参加するなど。

 

4.ストーリ上で何かしらの、変化や変身と遂げる。

 

変化は人間の欲求であり、魅力的な登場人物はストーリー上で変化や変身する。

その感情や行動の変化が明確であれば、登場人物は魅力的になる。

 

映画のオープニング

「映画をどう始めるか?」ということをしっかり考えておくこともまた重要です。

 

なぜなら、脚本の面白さははじめの10ページ(映画の10分)で判断されるから。

そのため、多くの映画でオープニングに派手なアクションシーンや衝撃的なシーンが使われています。

 

この読み手や観客の注意を掴むシーン・出来事をインサイト・インシデントと言います。

直訳すると、「誘発する事件」。

次に起こることを誘発し、ストーリーを大きく動かす事件のことです。

 

英語の記事ですが、以下のリンクが参考になります。

https://www.studiobinder.com/blog/inciting-incident-examples

 

さて、脚本のパラダイムでは、序盤は状況設定の役割を持つと書きました。

その中でも、オープニングでは、特に以下の3つに重きを置きながら進めていきます。

 

  1. 主要な登場人物は誰か
  2. ドラマの前提は?何についてのストーリーか?
  3. どんな世界観か?

 

これらを、さらに細分化したオープニングのルールがこちら。

 

  1. 動き(セリフではなくアクション)の中で、ストーリーが進んでいる
  2. 登場人物が明確
  3. ドラマ上の前提が紹介されている
  4. 世界観が作られている
  5. ドラマ上の障害が生まれている
  6. ドラマ上の欲求が生まれている

 

このルールを意識しておくことで、その後のストーリーをスムーズに、そして重厚にできます。

 

シーンとシークエンス

 

シーンとは、同一の時・場所でおこる出来事を収めた、ショットの集合体です。

場面とも言います。

なので、時や場所が変われば、シーンは変わります

 

シドいわく、各シーンはストーリーに関係する情報が必ず1つ以上明らかにされます。

 

シーンを書くコツとしては、

 

  • 発端
  • 中盤
  • 結末

 

に分けて考えてみることです。

 

それを、1つに繋げるようにシーンを書いていく。

 

ポイントは、シーンの目的(オチ)は最後までとっておくということ。

 

このようにしてシーンを書いていく上で、必ず理解しておくべきことがあります。

 

 

なぜ、その人物がそのシーンに必要か?

そのシーンの目的は何か?(役割)

そのアクションと会話はどのようにストーリーと関係しているのか?

 

すべてのシーンは必然であり、意図されたものでなくてはいけません。

 

次にシークエンスですが、シーンが集まった1つの意味上のまとまりことを言います。

なので、1言で表現できるんですね。

 

(例)カーチェイス、結婚式、葬式、救出、出産、、、

 

脚本を書く上で役立つと思ったこと

ここまで書いてきたことも当然脚本を書く上で重要です。

また、それ以外にも役立つと思ったことが書かれていたので、まとめていきます。

 

会話の目的

 

個人的に会話の内容を考えるのが非常に苦手です。

でも、以下の会話の目的を満たすように考えると考えやすいと思いました。

 

 

  1. ストーリーを進めること
  2. 登場人物の情報を明らかにすること。

 

どちらにもあてはまらない場合は、そのセリフは必要ないと考えることができます。

 

5×3情報カード

 

カードにシーンやシークエンスのアイディアを短い文章でまとめて、ひと目でストーリーの流れがわかるようにする方法です。

 

脚本30ページで14枚くらい。120分なら、56枚くらい使用。

脚本については考えず、まずはこのカードを作ることに集中します。

 

自由に並べ替えたりすることで、話の流れを決定したところで、カードの情報を元に脚本を書いていく。

ドライブの監督である、ニコラス・ウィンディング・レフンがドキュメンタリーのなかで、この方法を使っていました。

 

マイ・ライフ・ディレクテッド・バイ・ニコラス・ウィンディング・レフン

 

書いているうちに湧いてくる、妨害衝動

 

脚本だけではないですが、やらなくてはいけないことを始めようとすると妨害衝動。

急に部屋の掃除をしたくなったり、眠くなったり、漫画を読んでしまったりした経験はありませんか?

 

妨害衝動とは、やらなきゃいけないことに対する、やらなくてもいい理由を探してしまうことです。

 

脚本を書いている途中で、新しいアイディアが浮かび、今書いている脚本が急につまらなく感じてしまうことがあるかもしれません。

 

この妨害衝動への対処法は、その衝動をただ認識すること。

そして、できれば衝動に対して反対の行動をとる。

そうすることで、妨害衝動に対応することができます。

 

書くことは書き直すことである

 

Done is better than perfect(完璧より完了)

なんて言葉もありますが、まずは書き上げることを目指す。

 

脚本は1度書ききって終わりということは、ありません。

天才でなければ。

 

「書くことは書き直すことである」と考えておくことが、脚本を前に進めることができます。

 

とりあえず書ききってみる。これを目指しましょう。

 

以上が、「シド・フィールドの脚本術」のまとめでした。

簡単にしかまとめられておらず、これだけ見てもわからないことがあったかもしれません。

 

もし少しでも興味が湧いたなら、ぜひ購入してみてください。

 

 

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