子供達の純粋な目線が刺さる。映画『殺人の追憶』レビュー・ネタバレあり

 

こんにちは、はるみ(@hal_no_umi)です。

 

今回レビューするのは、2003年公開のポン・ジュノ監督作品『殺人の追憶』。

 

僕が韓国映画を見始めたきっかけになった作品です。

 

この映画は実際に発生した事件を元に作られた作品で、韓国にはそういった形で作られた素晴らしい作品がたくさんあります。

 

これをきっかけに他の作品にも興味を持ってもらえると、韓国映画のレベルの高さもわかって頂けると思います。

 

また、いまやポン・ジュノ監督はハリウッドでの作品も制作するほど世界的な監督なので、名前もぜひ覚えて欲しいです。

 

『殺人の追憶』作品紹介

まずは、ざっくり作品紹介します。

 

1文あらすじ

刑事たちが連続強姦殺人犯を必死に探す話。

 

映画のあれこれ

  • 韓国のアカデミー賞とも称される大鐘賞(テジョンショウ)にて、最優秀作品賞・最優秀監督賞・最優秀主演男優賞を獲得している。
  • 今作はフィクションだが、実際に発生した事件・華城連続殺人事件を基にして制作されている。
  • また、華城連続殺人事件は2006年に時効が成立している。
  • 日本人の作曲家・岩代太郎氏が、音楽で参加している。

 

気になるポイント

それでは作品の中身に入っていきます。

 

なにかやっていそうな容疑者たち

 

映画の元になった事件において、21000あまりの容疑者・捜査対象がいたみたいですが、この映画においては重要な容疑者が3名出てきます。

 

1人目は、頭が弱く顔にやけど跡のある男・グァンホ。

殺された女性が好きだったという1点の理由だけで、拷問されたあげく無理やり自供させられます。

容疑は晴れるのですが、取り調べ中にまるで犯行の一部始終を見ていたかのような、発言があったことから目撃者として重要参考人へと立場が変わっていきます。

 

グァンホのこの一連の流れからは、当時の韓国警察の問題視された捜査方法、弱者を無理やり犯人に仕立て上げるようなやりかたがあったのではと訴えているように思えます。

 

2人目は、犯行現場に夜な夜な現れて自慰行為をしていた男・ビョンスン。

その現場をたまたま、居合わせた刑事たちに見つかりその場を逃走したことから、容疑者になります。

しかし、その後、犯人の手がかりになる「犯人は柔らかい手を持つ男」という新たな証言を得たことから、ビョンスンは釈放されます。

 

ビョンスンには、つっこみを入れたくなります。「紛らわしいことすなよ!」と。

 

殺害現場で赤い女性ものの下着を身につけ自慰行為をしていれば、その状況を考えれば特殊な性癖を持った犯人だと思ってしまうのが普通なのではないかと。

 

監督がインタビューで、エンターテイメント性に気を使って制作したと語っていたので、ギャグ要素としての容疑者なのかもしれません。

 

3人目は、雨の日に「憂鬱な手紙」という音楽をラジオにリクエストする男・ヒョンギュ。

連続殺人が起きた日はいずれも雨が降っており、ラジオで「憂鬱な手紙」がかかっていたことから、ヒョンギュは疑われます。

しかし、ヒョンギュもDNA鑑定の結果、容疑者から外れることになります。

 

ヒョンギュは、3人の中では、一番犯人に見えるのではないかと。

前の2人は特徴がはっきりしてますが、ヒョンギュは普通の若者・好青年といった感じ。

作中のセリフでもあるのですが、「異常な犯罪を起こす奴は、普通の顔をしている」と。

また、ヒョンギュ役のパク・へイルの表情が素晴らしく、犯人なのではないかと思わせるような冷たい目に何かありそうな雰囲気を醸し出しています。

 

容疑者の3人は丁寧に演出されており、生き生きとしています。

捜査していく中で、出てくるヒントと合わせて犯人を予想しながら見るのが楽しいです。

 

ラジオから流れてくる曲

 

ヒョンギュが雨の日にラジオ番組にリクエストし、流れる曲は、ユ・ジュハの「憂鬱な手紙」という曲ですが、この曲が気になったので調べてみました。

 

シンガーソングライターのユ・ジュハさんの曲でアルバム「愛しているから」に収録されています。このアルバムをリリースした、3ヶ月後にユ・ジュハさんは亡くなられています。

 

以下、歌詞の翻訳を引用させてもらっています。

 

わざとそうしたのか  忘れてしまったのか

カバンの中 深く入れておいて

別れようとするときその時になって

僕にあげようと書いた 手紙を取り出したね

家に帰って ゆっくり開いてみたら 綺麗な紙の上に

書いた文字 一行一行 また一行刻んで

僕の偽りのない 心を浮かべたね

僕を見つめるとき涙するの?

合った二つの目が 涙ぐむの?

それなら何の言葉も必要なく お互いを信じよう

僕を見つめるとき涙するの?

合った二つの目が 涙ぐむの?

それなら何の言葉も必要なく

お互いを信じよう

弱気だったとしても 強がりだったとしても

賢かったとしても 君は知ってるの?

知ってるの? 僕には何の関係もないってことを

憂鬱な手紙はもう

 

引用: http://annyokara.com/blog-entry-6251.html?sp

この曲が映画のムードとヒョンギュのキャラクターを作る、重要な役割を果たしているように思いました。

 

純粋な子供達と狂った大人

 

映画を最後まで通してみると個人的に最初のカットと最後のシーンが印象的でした。

 

どちらも、純粋な子供の姿が映し出されています。

 

また、あるシーンでは女子中学生が「学校のトイレに隠れた男が、夜な夜な出てきて殺人をしている」という噂話をします。

 

これらは、いつでも純粋な子供達というものが表現されており、対比的に凄惨な事件の捜査に狂っていく大人たちが浮き彫りにされています。

 

おすすめのシーン

 

映画のなかで、犯人がしっかり映る犯行のシーンがありますが、撮影・編集・音楽がとても素晴らしいです。

一応恒例にしておきたいので、絵を載せておきます。(※めっちゃ下手です。)

 

よくこのレベルで、載せれるねと自分でも思います。(笑)

絵だけじゃどんなシーンか想像持つかないと思うので、ぜひ本編で探してみてください。

 

さいごに

 

本作もそうですが、ポン・ジュノ監督の作品には素晴らしいものがたくさんあります。

 

また、韓国では政府が莫大な補助金を出しているほど国をあげて映画製作に力をかけています。

 

そのこともあり、韓国には素晴らしい監督・作品が溢れていますので、他の作品も楽しんでみてください。

 

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