こんにちは。最近の映画館鑑賞はもっぱらNetflix、hal(@hal_blog_)です。
映画を見ていて、

と思ったことはありませんか?
映画では、共通したネタが使われることがあります。
- 偉人
- 殺人鬼
- 事件
などなど。
今回は、その中でも『俺たちに明日はない』で有名な、ボニーとクライド(Bonnie and Clyde)について解説していきます。
もくじ
ボニーとクライドとは?

(右がボニー・左がクライド)
1930年代、アメリカにおいて数多くの銀行強盗や殺人などの罪を犯した、ボニー・パーカー(Bonnie Clyde)とクライド・バロウ(Clyde Barrow)のカップル。
FBIの記録によると、こんな感じの容疑がかかっていた。
- Joplinにて、2人の警官を殺害
- ルイジアナ州で、男女のカップルを誘拐
- Hillsboroにて、男性1人を殺害
- LufkinとDallasにて、数件の強盗
- テキサスにて、保安官1人を殺害、1人を負傷
- オクラホマにて、保安官代理を誘拐
- ニューメキシコにて、自動車を盗難
- テキサスにて、保安官代理を殺人未遂
- テキサスにて、殺人と強盗
- テキサスにて、殺人
- テキサスにて、保安官と警官を殺人未遂
- テキサスにて、殺人
など、13人もの人を殺害、複数の殺人未遂・強盗・盗難。
事件の数、内容だけみると相当な凶悪犯です。
しかし、当時の彼らは英雄視され、匿う人々も多かった。
それは、なぜなのか?
1930年代アメリカの時代背景
彼らが当時、英雄視され人気があったのは、時代背景にあると言われることが多いです。
1930年代のアメリカで起こった、代表的な事象といえば、
- 世界恐慌
- 禁酒法
があります。
世界恐慌で大不況。働き口もなく、その上禁酒法によってアルコールも手に入らない。
そんな時代に、颯爽と登場した19歳のボニーと21歳の若いカップル。
ボニーとクライドが登場する以前は、若い男女のカップルの犯罪というものがなかった。
そのため、メディアが注目し、一斉にとりあげたようです。
当時はあまりなにかを楽しめるといった時代ではなかったため、この事件自体が1つのコンテンツとして消費されていたのではないかと思います。
ボニーとクライドの最後

ボニーとクライドは、凄惨な結末を迎えます。
1934年ルイジアナ州にて、複数の警察官に待ち伏せ。銃撃を受け、最後を迎えます。
上の写真は、銃撃を受けたボニーとクライドが最後に乗っていた逃走車です。
かなりの数の警官から囲まれ、銃撃を受けたことがわかります。
この凄惨な結末もボニーとクライドの一件が、有名になった一因になっているかと思います。
ボニーとクライドが映画史に与えた影響

ボニーとクライドの一件は、数多くの映画に影響を与えています。
僕が勝手にそう思っているだけかもしれませんが。。
でも、実際にボニーとクライドの事件以降に制作された映画に、以下の内容が描かれているものが複数あるように思います。
「犯罪を起こした男女2人の逃避行」
ボニーとクライド的な、映画に待ち受ける凄惨な最後。
それでは、ボニーとクライドの事件に影響を受けているであろう映画を、時系列順にまとめていきます。
『暗黒街の弾痕』(フリッツ・ラング監督,1937)
『暗黒街の弾痕』は1937年公開なので、事件が起こってすぐに制作された作品です。
この映画においても、愛し合う男女の逃避行が描かれています。
当時のアメリカの映画界の特徴としては、映画製作の倫理規定であるヘイズ・コードがあったことでしょう。
ヘイズ・コードは以下の原則から、今の映画表現を考えると、とても厳しく規制されていました。
ヘイズ・コード(一部抜粋)
一. 観客の道徳水準を低下させる映画は、これを製作してはならない。それゆえ決して 観客を犯罪、悪事、邪悪もしくは罪悪に対して共感させてはならない。
二. 劇や娯楽の要請の範囲内で、人生の正しい規範が示されなければならない。
三. 自然法、実体法を問わず、法が軽んじられてはならない。また法を犯すことについ て観客の共感を得てはならない。
このヘイズ・コードから読み取れるのは、「悪いことをしたものは罰せられる(死)」ということ。
犯罪を犯した瞬間から、死に向かう逃避行が始まることになります。
この『暗黒街の弾痕』以来、ボニーとクライドに影響されているであろう映画には、凄惨な結末が用意されています。
『俺たちに明日はない』(アーサー・ペン監督,1967)
『俺達に明日はない』の原題は、”Bonnie and Clyde”。
アメリカン・ニューシネマ期を代表する映画の1本です。
内容はもちろん、ボニーとクライドについて描いた映画。
『暗黒街の弾痕』との違いはというと、この作品がアメリカン・ニューシネマ期に製作されたということが大きい。
アメリカン・ニューシネマ期に制作された映画は、
- 『卒業』
- 『イージー・ライダー』
- 『明日に向かって撃て!』
- 『フレンチコネクション』
- 『バニシング・ポイント』
- 『ダーティー・ハリー』
- 『カッコーの巣の上で』
- 『タクシードライバー』
などなど。
超有名作品ばかり。
ところで、アメリカン・ニューシネマという言葉を聞いたことがありましたか?
引用すると、
アメリカン・ニューシネマは、1960年代後半から1970年代半ばにかけてアメリカで製作された、反体制的な人間(主に若者)の心情を綴った映画作品群を指す呼称。
引用:Wikipedia
となります。
すでに説明したヘイズ・コードが敷かれていた時代は、映画が厳しい検閲を受けていました。
それが1968年に撤廃され、「性・暴力・ドラッグ」などの自由な表現で映画がたくさん制作された期間です。
『俺たちに明日はない』はアメリカン・ニューシネマの初期の作品で、『暗黒街の弾痕』では描けなかった「性や暴力」という表現がしっかりと表現されています。
ボニーとクライドの話の中でも有名な凄惨な結末ですが、『俺たちに明日はない』でも実話に即した衝撃的なシーンになっています。
ボニーとクライドに影響された映画(洋画)

ボニーとクライドの一件に影響されているかは、わからないですが、
犯罪を犯した2人組。その2人の逃避行。
そして、その2人には凄惨な結末が用意されている
という内容が見られる映画をご紹介します。
リドリー・スコット監督作品。
旅に出た、仲の良いテルマとルイーズ。道すがら寄ったバーで、ルイーズが銃で男を殺害してしまう。
そこから始まる2人の逃避行が描かれた映画です。
トニー・スコット監督・クエンティン・タランティーノ脚本の作品。
オリバー・ストーン監督作品。
殺人や強盗など犯罪を犯して回る、男女2人の逃避行を描いた映画。
どれも名作なので、ぜひ一度ご覧ください!
ボニーとクライドに影響されている音楽

ボニーとクライドは、音楽にも登場してます。
最後に、こちらでボニーとクライドが登場する音楽を紹介します。
Aviciiの「Without You」
宇多田ヒカルの「B&C」
エミネムの「Bonnie & Clyde (Part 2)」
以上が、ボニーとクライドが登場する映画・音楽です。
ぜひいろんな作品で、ボニーとクライドを楽しんでください!